2023年版 気になる他社の社宅使用料と入居期限の設定

自社の社宅規程に定める使用料や入居期限が、一般的な水準と比較して大きな乖離がないか気になったことはないでしょうか。
ここでは、以前「2021年版 気になる他社の社宅使用料と入居期限の設定」でご紹介した㈱労務研究所の「社宅・独身寮の使用料調べ」について、2023年度の結果を基に、社宅使用料と入居期限についてご紹介いたします。

1.社宅・独身寮の使用料調べとは?

「社宅・独身寮の使用料調べ」とは、㈱労務研究所が毎年行っている民間企業を対象としたアンケート調査です。
その調査結果は、同社が発刊している「旬刊 福利厚生」誌に掲載されています。

今回は2023年1月発刊の「旬刊福利厚生 2359号」に掲載されている「第57回 社宅・独身寮の使用料調べ」の結果をご紹介します。

2.平均使用料

「社宅:30,130円 寮:11,500円」。社宅使用料は前回調査から大きく上昇。

【平均使用料額】社宅の平均使用料は30,130円、寮の平均使用料は11,500円となります。
寮の平均使用料は前年と比較して微減となっていましたが、社宅使用料は約5,000円増加しています。

【平均使用料価格推移】
(社宅)

社宅の平均使用料(全業種平均)は今回の調査で大きく上昇しています。
これは、非製造業の平均社宅使用料が大きく上昇したことが要因です。

※平均社宅使用料
製造業   前回(2021年):24,950円  今回(2022年):24,460円
非製造業   前回(2021年):34,770円  今回(2022年):43,150円

(寮)

独身寮については上昇傾向が続いていましたが、2022年の調査では前年を下回る結果となっています。

3.使用料算定式

市中家賃方式と企業独自方式の採用率が35.7%で拮抗。

【使用料算定式の推移】
2021年調査時には市中家賃を基準とする方式(家賃の○%を使用料とする方式)の採用割合が最多でしたが、今回の調査では、企業独自の算定式(㎡単位や地区別負担率などとの組み合わせによる算定方式)を採用する割合が増加しています。
居住面積に単価を乗じて計算する㎡単価方式の採用割合は、2010年から2022年にかけて大幅に減少しています。

4.入居期限

「社宅」 79.7%が期限有。入居期限の設定は期間制限が最も多い。

【期限設定/平均値】

【入居期限の設定方法】
2021年以前は入居期限を設けている企業の割合は80%前後を推移していましたが、今回の調査では大幅に減少しています。(82.7%→66.1%)

「寮」 86.0%が期限有。平均退去年齢は33歳前後。

【期限設定/平均数】

【平均退去年齢推移】

独身寮では多くの企業が入居期限を設けています。
これは、独身寮を新人教育や福利厚生の一環で活用している企業が多く、入社・入寮から一定期間経過後に退去させるルールを採用しているためと考えられます。
平均退去年齢は2000年から大きな変化はなく、33歳前後を推移しています。

5.まとめ

今回は、使用料・入居期限に関する2023年度の調査結果についてご紹介しました。
使用料や入居期限の設定は、業種業界や企業方針等によって様々ですが、他社の平均値としてご活用いただければ幸いです。
ご紹介した数値の詳細は、㈱労務研究所が発刊する旬刊福利厚生誌に記載されています。
使用料、入居期限以外にも社宅・寮に関する様々な情報やアンケート回答、各社別の数値一覧等が掲載されていますので、ご興味のある方は以下のURLをご参照ください。

株式会社労務研究所 HP:https://rouken.com

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