借り上げ社宅制度とマイナンバー

2016年1月からマイナンバー制度の運用が開始されています。

借り上げ社宅制度の運用にマイナンバーがどのように関連するかイメージしづらい方もいらっしゃるかもしれませんが、先に申し上げると、借り上げ社宅制度の運用には、マイナンバーの収集・管理業務が必要となります。

では、なぜ借り上げ社宅制度の運用にマイナンバーが必要となるのでしょうか?

必要となる理由や、具体的にやらなければならないことについてご説明します。

1.マイナンバー制度とは

マイナンバー制度とは、2016年1月から運用されている制度であり、マイナンバーとは、日本国内に住民票をもつ個人に1つずつ割り振られる12桁の番号のことです。

社会保障・税・災害対策の3分野において複数の機関に存在する個人の情報が、同一人の情報であることを確認するために活用されます。

このマイナンバーが借り上げ社宅制度の運用にも大きく関わってきます。

借り上げ社宅制度の運用にマイナンバーが必要となるのは冒頭で記載したとおりですが、その関連性を説明する前に、「支払調書」という法定調書についてご説明します。

2.借り上げ社宅制度運用に必要となる支払調書

支払調書とは、法人が年間を通じて行った支払いについて相手先、支払金額などを税務署へ報告するための書類です。

借り上げ社宅は、貸主から企業が物件を賃借し、賃借した物件を社員へ貸与する形が一般的であり、借りているのは企業となりますので、企業が貸主に家賃を支払います。

年間の支払合計額が15万円を超える場合には、借主である企業が税務署に支払調書を提出することが義務付けられています。

そして、マイナンバー制度の運用が開始された2016年1月1日以降に提出する支払調書には、貸主のマイナンバーを記載する必要があります(下記イメージ)。

支払調書の提出者である企業は、貸主が個人である場合、貸主に対してマイナンバーを収集するという対応が必要になりました。

3.企業がやらなければならないことは?

借り上げ社宅の運用を行ううえで、個人家主から物件を借りる場合には借主となる企業に、貸主のマイナンバーを収集する義務が生じます。

マイナンバーとは、その番号で個人を完全に特定できてしまう大変機微な個人情報であるため、非常に厳重な取り扱いが求められており、厳格なガイドラインが定められています。

借り上げ社宅制度の運用を行うためには、借り上げ社宅の運用体制だけではなく、併せてマイナンバーの収集・管理体制の構築が必要です。

4.さいごに

ここまで借り上げ社宅制度とマイナンバーの関係性についてご説明しました。
結論としては、借り上げ社宅制度の運用を行うにはマイナンバーの収集・管理が必要です。

両運用体制を同時に構築しようとすると非常に大きな負荷が生じるので、体制構築の負荷が大き過ぎるという場合には、外部委託するという方法もあります。

借り上げ社宅制度の運用を検討する場合には、マイナンバーの収集・管理体制構築も必須となる点も踏まえ、制度導入・運用体制構築の検討を行いましょう。

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