社宅代行サービスの流れ~解約手続き編~

社宅管理業務を自社で行っている社宅担当者にとって、物件の解約手続きはとくに負担の大きい業務ではないでしょうか。
その中でも、退去時の原状回復費精算については「見積もり内容が妥当かどうか分からない…」「貸主との協議がうまく進められない・・・」など、お困りの声を聞くことも少なくありません。

このようなお悩みを解決する手段として、社宅管理業務のアウトソーシングを検討する企業が増えてきています。
そこで今回は、社宅代行会社のアウトソーシングサービスを利用した場合、どのような流れで解約手続きが進むのかについてご紹介します。

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1.解約手続きの流れ

社宅管理をアウトソーシングした場合、原則、代行会社が企業に代わって不動産会社とのやりとりを行います。
物件解約時の具体的な手続きは、次のとおりです。

1-1.退去申請・承認を行う

はじめに、社員が社宅を退去するための社内申請を行います。
このとき、社員は代行会社から提供されるWebシステムや、メール・FAXなどを利用して退去申請を行い、企業はその社員の退去可否を判断します。
Webシステムを利用する場合、退去申請が承認されたことはWebシステム上で自動的に通知されるケースが一般的ですので、企業が代行会社へ連絡する作業は原則発生しません。

1-2.貸主・管理会社へ解約の申し入れを行う

社宅の退去申請が承認されたら、次は貸主に対する解約の申し入れです。
解約の申し入れを行ったとしても、その後約1か月間は家賃が発生するケースが一般的であり、借主である企業の家賃負担額を少しでも抑えるために、速やかに貸主へ解約の申し入れを行うのが代行会社の役目です。

1-3.社員へ退去案内をする

つづいて、代行会社から社員へ退去に関する案内を行います。
鍵の返却や退去時の立会いは、入居者である社員本人が対応するケースが一般的ですので、何をすればよいか困ることのないよう代行会社がサポートします。
具体的には、退去手続きの流れ、鍵の返却や退去立会いの日程調整に必要な貸主の連絡先、退去に伴う各種手続き(公共料金の精算/個人契約分の精算/転居手続きなど)のアナウンスを行います

1-4.原状回復費の協議

退去が完了したあとは、原状回復費の協議です。
代行会社は、企業に代わって見積もり内容(見積費目/単価/貸主・借主間の負担割合など)が適正であるかをチェックします。
賃貸借契約書に定められている事項や、国土交通省が公表している原状回復に関するガイドライン、あらかじめ企業と取り交わした判断基準に則り、企業側の意思を伝達する形で貸主とやりとりを行う流れが一般的です。

入居者である社員の故意過失によって請求された費用があれば、代行会社が社員へ事実確認を行い、最終的な企業側の判断をもって原状回復費の確定に進めます。

ただし、社員への事実確認や合意の取り付け業務まで対応できる代行会社は限られています。
アウトソーシングを検討
する際には、代行会社の対応範囲を事前に確認しておくとよいでしょう。

また、原状回復費精算においては、代行会社が企業側の意思をしっかりと伝達するために、あらかじめ必要な取り決めを整備しておくことが大変重要です。

【原状回復費精算のイメージ】

1-5.敷金の返金

原状回復費の金額が確定したら、入居時に預け入れていた敷金との相殺を行います。
敷金から原状回復費を差し引いた金額は、代行会社を通して返金されます。
返金された敷金は、代行会社が月次で取りまとめて企業へ振り込むケースが一般的です。

また、原状回復費が敷金を上回った場合は、代行会社が立て替えて支払います。

【敷金の返金イメージ】

1-6.賃貸借契約書類の返却

賃貸借契約書類の原本は契約期間中、代行会社にて保管するケースがほとんどであり、解約後に企業へ返却されます。
法律上、賃貸借契約書類は解約後であっても一定期間保管する必要があるとされています。
代行会社によっては、解約後の契約書を保管するサービスがあるため、自社の保管スペースに余裕のない場合等は活用してみるとよいでしょう。

2.専門知識を要する業務ほど、社宅代行サービスの活用を!

これまでの内容をまとめると、企業側の意思が反映された判断基準をしっかりと整備し、あらかじめ代行会社との間で取り決めておくことで、解約時に発生する業務のほとんどを委託することができます。
また、一定の範囲で代行会社に承認権限を委譲することで、更なる業務負荷の軽減にもつながります。
(例:企業の判断基準に基づいた、退去可否の判断や原状回復費の承認 等)


解約時の原状回復費精算は、社宅業務の中でもとくに専門知識を要する業務です。
その分、社宅担当者の負担は大変大きいはずですので、このような業務をアウトソーシングすれば企業側の業務負荷は大幅に削減できるはずです。

3.さいごに

社宅管理業務をアウトソーシングした場合の解約手続きについて、一般的な流れをイメージいただけたでしょうか?
今回ご紹介した内容は、あくまでも一般的な例です。
代行会社や企業のルールによって運用方法や対応内容が異なりますので、具体的にアウトソーシングを検討される際は、代行会社の特徴や提供サービスの範囲をよく確認したうえで検討することをオススメします。

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