不動産業界における「仲介手数料」とは、不動産の売買や賃貸借の契約を締結する際に請求される費用です。
今回は社宅担当者が知っておくべき不動産基礎知識として、「賃貸借における仲介手数料」についてご説明します。
1.仲介手数料とは
【 仲介手数料のイメージ 】
仲介手数料とは、仲介会社へ支払う手数料を指します。
仲介会社とは、入居者を募集している貸主と、物件を探している入居者をマッチングさせる役割がある会社です。
※「不動産仲介会社の役割を理解しよう!」はこちら
仲介会社は「物件紹介、内見の同行、重要事項説明」など、契約締結までのサポートを行います。そのサポートに対する報酬が仲介手数料になります。
また、仲介手数料は契約が成立して初めて発生する費用です。そのため、物件の内見などを行っても、契約が成立しなかった場合は仲介手数料を請求されることはありません。
2.支払うタイミング・方法
契約締結時に敷金や礼金などの費用とあわせて口座振込で支払うのが一般的です。
仲介会社によっては、敷金や礼金などの費用と仲介手数料を別口座に振り込むよう求められることがあります。
3.相場
仲介手数料の相場は、「賃料の0.5か月分~1か月分+消費税」です。
仲介手数料の上限は宅地建物取引業法によって、「賃料の1か月以内」と定められており、原則ルールとしては、貸主と借主がそれぞれ0.5か月分を支払うことになっています。
仲介手数料は貸主と借主双方の承諾があれば、いずれか一方が1か月分を支払うことが認められていますが、原則ルールでは借主が支払う仲介手数料は「0.5か月分」です。
しかし、多くの仲介会社は借主が支払う仲介手数料を1か月分と設定しているため、仲介手数料として「賃料1か月分+消費税」の金額を請求されることが多いです。
また、仲介手数料の上限として定められている「賃料の1か月以内」の「賃料」とは、共益費や管理費は含まない家賃のことを指します。
最近では、「仲介手数料なし」、「仲介手数料0円」として募集されている物件を見かけることも増えてきています。
下記のような物件の場合、仲介手数料が0円になっていることがあります。
- 貸主自らが入居者を募集しているケース
- 貸主が少しでも早く入居者を決めたい状況であり、入居者負担の仲介手数料は0円とし、仲介会社へは別途、仲介手数料相当の費用を支払うケース
中には、仲介手数料が0円である代わりに、仲介手数料相当額が月額家賃に上乗せされているケースがあります。
その場合は周辺相場に対して、月額家賃が少し高い設定になっていることがありますので、注意が必要です。
4.駐車場の仲介手数料
宅地建物取引業法によって規定されているのは賃貸借住宅の仲介手数料であるため、駐車場の仲介手数料は上限額が規定されていません。
そのため、部屋と駐車場をそれぞれ契約した結果、住宅の仲介手数料が1か月分、駐車場の仲介手数料2か月分という形で請求される場合があります。
前述のとおり、駐車場の仲介手数料の上限は規定されていないため、1か月分以上の請求であっても違法ではありません。
そのため、仲介手数料の詳細を確認せずに契約してしまうと、想定よりも高額な請求になってしまう可能性があります。
駐車場を契約する際には必ず仲介手数料の詳細を確認するようにしましょう。
5.さいごに
今回は、仲介手数料についてご紹介しました。
社宅や駐車場を管理するうえでは必要となる知識なので、仕組みや相場の金額を正しく理解しておきましょう。
また、他の不動産基礎知識についても紹介していますので、ぜひ併せてお読みください。